202210

大分県立看護科学大学 看護学部看護学科 小児看護学研究室
足立 綾

大分県立看護科学大学卒業後、大分大学医学部附属病院で看護師として勤務。その後、母校で教育に携わりながら、2018年修士課程を修了し、現在、博士後期課程に在籍中。2022年度より現職。

子どもたち、学生とともに成長する

 この度はこのような機会をいただき、誠にありがとうございます。私は、学部の小児看護学実習において、1型糖尿病初発の女児を担当させていただき、小児領域で働きたいと思いました。看護援助を検討する中で、担当教員や看護師の助言が印象深かったことを今でも覚えています。
 臨床では、子どもやご家族への支援を通して、子どもたちが持つ可能性とご家族の力を実感しました。子どもたちは日々成長しています。今、行えない療養行動もいずれは自身で行うことのできる存在として、一人一人の発達段階に合わせた支援をしていく必要があります。現在、臨床で関わった子どもやご家族に、実習施設や家族会等で出会うことがあります。子どもたちを支える家族の力を実感するとともに、継続的な支援の重要性を感じています。
 教育場面においても、学生の成長を感じる機会が多くあります。実習では、子どもやご家族への関わりを通して、学生と共に学びを深めたいと考えています。私自身、学部実習での出会いが、現在に大きく影響しています。学生が小児看護の魅力に触れることができるよう努めていきたいと思っています。現在、多くの施設で卒業生が活躍しており、成長した姿に出会えることを大変うれしく思います。また、本学では、大学院で診療看護師を養成しています。小児領域の診療看護師は、約10名と少数ですが、少しずつ認知されてきています。今後は、大学院教育にも携わりながら、自身の知見を深めるとともに継続した育成ができるように努めていきたいです。
 研究活動では、小児期の予防接種に関連した研究を実施しています。近年、大きく変化した予防接種制度に対する保護者および看護職の戸惑いは大きくなっています。さらに、生後早期からの接種開始が必要であるため、妊娠中からの保護者への教育が求められています。今後も妊娠期の保護者への予防接種教育や、保護者及び看護師の支援についての研究を継続したいと思います。保護者自身が、予防接種の意義や有効性を理解し納得した上で、自身の意思で予防接種の選択が行えるよう支援していきたいと考えています。
 これからも子どもやご家族の成長、学生の成長を支援するとともに、自分自身も努力し、成長していきたいと思います。

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